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本記事の概要
すでに変形性膝関節症の治療に取り組まれている方へ
本記事では3名の整形外科専門医に取材を行い、変形性膝関節症の治療法の種類や特徴をご紹介します。
「すでに治療に取り組んでいるが、なかなか満足の行く効果がでない」
「自身や家族の治療選択肢を広げたい」
「もっと活動的な日常生活を送りたい・送ってほしい」
上記のような想いをお持ちの方に向け、本記事では治療選択肢を広げるサポートをさせていただきます。
なお、ご紹介する治療の効果には個人差があり、奏効率(治療の有効的な効果の割合)が高い・新しい治療でも万人に有効というわけではありません。また、文末でもご紹介しておりますが、近年新たな選択肢として自己組織(自身の血液など)を活用する治療が注目されています。この治療は、手術をせずに薬や運動で痛みを緩和させる「保存療法」と、心理的なハードルが高い「手術療法」の間を埋める治療法です。
詳しくは以下の記事でも特集しておりますので「色々やってみたけど自分に合う治療法が見つからない」「新しい治療を試してみたい」「痛みを少しでも和らげたい」という方はぜひご覧ください。
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本記事の対象疾患「変形性膝関節症」の概説
本記事の対象疾患「変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)」は、主に加齢やスポーツによる膝の使い過ぎ、過去の外傷などが原因で膝の軟骨がすり減り、主に膝に炎症や痛み、腫れを引き起こします。
日本では全国に推定2,530万人の患者がいるとされ、ある程度のご年齢になれば注意すべき疾患です。また、患者全体の7〜8割が女性とも言われています(*1)。
さらに悪化すると軟骨が消失、外見変化として極端なO脚やX脚への変形、夜は痛みで寝れない、といった重篤な症状をもたらす場合もあります。
変形性膝関節症には様々な治療方法が存在しますが、患者さんの病態や進行度に応じて効果には個人差があります。「多くの人に有効な治療」はあっても「万人に有効」な治療はありません。
それゆえ、現状の治療に満足できないのであれば様々な治療を試すことも大切ですので、本記事にてまだ知らない治療法に出会っていただけますと幸いです。
変形性膝関節症に対する治療方法一覧
保存療法
変形性膝関節症に対する治療は大きく2つに分けられます。主に変形性膝関節症の進行を遅らせることを目的とした「保存療法」と、手術によって関節内部に直接アプローチを試みる「手術療法」です。
変形性膝関節症の進行がそこまで深刻でない方の場合、いきなり手術を行うのではなく、まずは保存療法で痛みの改善を行い寛解(症状・病状が治まって日常生活に支障がない状態)を目指すことが一般的です。(*9)
まずは代表的な保存療法を8つご紹介します。
生活指導
膝関節は日常的に多用する部位であるため、普段の何気ない生活習慣が膝への負担を助長させている可能性があります。
全国に変形性膝関節症を患う方が多くいる中で、膝に悪影響な動作は何か、また変形性膝関節症にならないために普段注意すべきことは何かなど、医師から「生活指導」を受けることによって改めて自分の生活習慣を見直すことができます。
2023年度の日本整形外科学会資料でも、生活習慣の指導は「強く推奨」と評価され、海外の医学学会でも治療の核心に位置づけられています。(*14)
具体的な生活指導の内容は患者さんによって異なりますが、例えば、膝に負荷をかける動作を避けたり体重管理をしたり、後述の「運動療法」などによって、病状を進行させないための指導を受けることが一般的です。また、「なんとなく膝が痛い・違和感を感じる」などの初期段階で、生活指導を含めた保存療法を行うと十分な改善が見込めるとの報告もあります。(*12)
運動療法(リハビリテーション)
変形性膝関節症の治療の基礎であり、かつ、最も重要な治療が「運動療法(リハビリテーション)」です。
運動療法は他の治療の基盤となる治療法です。他の治療と並行して取り組むことで、痛みだけでなく膝関節を動かしやすくなったという研究もあるほど(*2)、変形性膝関節症に対しその有効性が示されています。
また、運動による体重コントロールで膝関節への体重負担を軽減することが期待できます。このように変形性膝関節症の治療全般に好循環を生むことにも繋がる為、非常に重要とされています。
2023年度の日本整形外科学会資料でも、運動療法は「実施することを強く推奨」されています。(*14)
また2021年度の日本理学療法学会連合の報告では、運動機能低下が認められた軽度の変形性膝関節症患者に対し運動療法を行なった結果、膝関節の痛み・症状・日常生活活動・生活の質(QOL)・関節のこわばりと運動機能が改善したと報告されています。(*11)
具体的には、ストレッチや筋力トレーニング(リハビリ)によって脚、主に膝周辺の筋肉を鍛え、膝にかかる体重負担を筋肉が受け止められるようにします。
理学療法士(患者の立つ・歩くなどの基本動作能力の維持や回復に従事した国家資格を持つ専門家)のいる整形外科では理学療法士から動作指導やストレッチングサポートを受けることでリハビリ効果を向上させることが期待できます。
仮に手術を行う場合であっても、満足な結果を得るためにはこの運動療法が非常に重要です。
可動域拡大訓練
- 膝を伸ばして床に座り、片方のかかとの下にタオルなどを敷きます。
- タオルを敷いた方のかかとをゆっくりすべらせながら手前に引き寄せ、膝をできる限り曲げます。
- かかとをゆっくりすべらせながら、膝をできる限り伸ばします。
- 1~3の動きを10回ほど繰り返します。次に、反対の脚についても同様に行います。
- 1~4を1セットとし、1日に3セットを目安に行いましょう。
筋力強化訓練
- 右脚を伸ばしたまま、床から10cmほど上に持ち上げ、その状態で5秒間キープします。
- 右足をゆっくり元に戻し、2~3秒間休みます。
- 2~3の動きを10回ほど繰り返します。次に左脚についても同様に行います。
- 1~4を1セットとし、1日に3セットを目安に行いましょう。
他にも有効な運動方法を下記記事にて詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
逆に、変形性膝関節症の方は無理な運動により症状や病態が悪化してしまう可能性もあります。下記の記事では変形性膝関節症患者の方がしてはいけない運動や、日常生活で気をつけるべきことについて解説していますので、併せてご覧ください。
肥満の解消
肥満の方であれば減量して肥満を解消することも、変形性膝関節症の“痛み”に対処する重要な治療法となりえます。変形性膝関節症の発症因子のひとつとされる肥満は(*4)、より重症な変形性膝関節症になりやすいと示唆されてもいます。(*5)
このように肥満は変形性膝関節症の発症と進行に関係があるとされており、肥満を解消することは変形性膝関節症の対策に有効と考えられます。実際に、日本整形外科学会資料によれば、10kg体重を減らすと、歩くときの膝への負荷を30kg相当減らし、階段の昇降時には50kg〜70kgほどの負荷減少となると記されています。(*6)
上述の運動療法も減量に大いに役に立ちますが、変形性膝関節症患者は比較的高齢者が多いこともあり、若年者よりも体力や筋力が衰えていることも踏まえ、食生活の見直しが有効と言えるでしょう。
変形性膝関節症に強く取り組んでいる整形外科であれば、食事の指導やアドバイスをおこなっている場合もありますので、まずはかかりつけ医にご相談されると良いでしょう。
薬物療法
鎮痛剤や外用消炎剤(湿布)等に代表される薬を用いた治療を薬物療法といいます。変形性膝関節症における薬物療法は、比較的副作用の少ない痛み止めの内服薬からスタートし、痛みの軽減を目指すことが一般的です。他にも外用薬の湿布や軟膏、ゲルなど様々な種類から医師が患者さんに合わせて処方します。
これらの薬物療法で痛みを和らげている間に運動療法で筋肉を鍛えることで、膝への体重負荷を低減し、症状改善を目指していきます。
薬物療法については「変形性膝関節症の薬物療法の種類やその注意点について医師が解説」にて詳しく解説されていますので、ぜひリンクからご覧ください。
ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸注射とは、元々体内にも存在する成分「ヒアルロン酸」を膝に注入して一時的に痛みや炎症を抑え、関節の滑らかさを補う治療法です。2023年度の日本整形外科学会資料でも、ヒアルロン酸注射は推奨(実施することを提案)されています。(*14)運動療法との相性も良く、ヒアルロン酸注射で症状を緩和している間に膝の筋肉を鍛えたり膝の曲げ伸ばし訓練を行うことで変形性膝関節症の症状改善を目指すことができます。人によってはヒアルロン酸を膝に注射しただけで症状が大幅に改善することもあります。
注射頻度は患者の症状に応じて、始めは毎週、もしくは隔週ごとに打ち、その後は月に1回などのペースで継続して行うことが多いです。
ヒアルロン酸注射については、下記の記事でも解説していますので、より詳しく知りたい方はご覧ください。
ステロイド注射
ステロイド注射とは、痛みのひどい場合にステロイドと呼ばれる強力な鎮痛作用のある薬剤を患部に注射し、一時的に痛みを緩和する治療法です。
2023年度の日本整形外科学会資料でも、ステロイド注射は推奨(実施することを提案)されています。(*14)効果の持続は患者の病態によりますが、1回の注射で1〜2週間は痛みが軽減され、その後3〜4週間は効果が持続する可能性があるとされています。(*13)
ただし、ステロイドは強力な鎮痛作用があるぶん副作用も強く、頻回に使用すれば骨がもろくなり骨壊死や骨粗鬆症といった別の疾患にかかるリスクを高めるとされます。
ステロイド注射による治療は痛みの緩和に留まり、またステロイドによる鎮痛作用は一過性にとどまることが一般的です。上述したリスクもあるため、ステロイドによる治療を複数回実施する場合には3ヶ月程度の間隔をあけることが多いとされています。
ステロイド注射については、下記の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
物理療法
患部をあたためる温熱療法や、患部に通電を行う電気刺激療法など、物理エネルギーを活用した治療法を物理療法といいます。
2023年度の日本整形外科学会資料でも推奨(実施することを提案)されている治療法で(*14)、変形や症状が深刻ではない変形性膝関節症に対し有効とされています。
どちらも血流を改善することによって循環が良くなり、抗炎症効果が促進されます。(*8)
また、炎症が抑制されている間は、運動療法を行い継続的な症状改善を目指すことが一般的です。
装具療法
靴底のインソールや膝のサポーターを用いた治療を装具療法といいます。
インソール(足底板)を用いる「足底板療法」では膝にかかる体重の角度を調節することで疼痛軽減や進行を防ぐ効果が期待できます。日本人に多いO脚は膝の内側に体重がかかりやすいとされ、膝内側の軟骨や骨の損傷、内側に痛みを生じることが多いです。そこで足底板で脚の角度を矯正することで、反対側に体重を逃がします。(X脚はその逆になるように用います。)足底板は靴の中にインソールとして入れるタイプのものが多いですが、屋内で使用できるものもあります。
変形性膝関節症の患者に対し、インソールの有無による歩行の変化を調べた実験では、インソール有りで疼痛の軽減・膝関節の横振れの減少が見られたとしており、早期から使用することの有効性が認められています。(*7)
また、「サポーター」は膝を固定し痛みの出やすい動作を防ぐことが期待できます。
実際に、変形性膝関節症患者に対する膝サポーターの装着についての研究では、膝関節痛を減少させる可能性があり、保温効果と姿勢バランスの改善効果が得られたとの報告がされています。(*10)
ただし、サポーターのような固定具は膝周辺の筋力を低下させることもあるので基本的に長期にわたる使用は推奨しないとする意見もあるため、医師と相談の上、適切に使用するようにしましょう。
下記の記事にて変形性膝関節症の方が履くべき靴や、適したインソールについてを詳細に解説しています。靴選びでお悩みの方や、適切なインソールについて知りたい方はご覧ください。
手術療法
症状の進行度合いにもよりますが、これまでご紹介した8つの保存療法で改善が見られなかったり、日常生活に著しい支障をきたしている場合には、手術による改善を目指す場合もあります。
代表的な手術は3つ、「関節鏡視下手術」「骨切り術」「人工関節置換術」になります。
手術については下記の記事でも詳しく解説されています。
変形性膝関節症の手術方法やメリット・デメリットについて医師が解説
関節鏡視下手術
関節鏡視下手術(かんせつきょうしかしゅじゅつ)は、関節鏡と呼ばれる関節用の内視鏡(体内を観察するための医療機器)を膝に入れて内部をクリーニングする手術です。
変形性膝関節症によって軟骨や骨がぶつかり合うと、軟骨や骨、半月板のささくれや破片が関節内に散らばり、膝の引っかかり感などが出現することがあります。関節鏡視下手術は、それらの破片を取り除く(クリーニングする)ことでこの膝の引っかかり感を始めとした症状の緩和を目指す治療です。
メリットは、関節内の状況を直接確認できることです。変形性膝関節症の進行度を正確に把握でき、今後の治療方針決定に役立ちます。
膝に小さな穴を2〜3箇所あける手術ですので、身体への負担は比較的軽いといえますが、進行した変形性膝関節症にはあまり効果的ではなく、比較的進行度の浅い変形性膝関節症の方が主な対象です。
骨切り術(膝関節を温存する方法)
骨切り術(こつきりじゅつ)は、脛骨(すねの骨)や大腿骨(太ももの骨)の角度を矯正する手術です。
脛骨や大腿骨の変形を矯正し、体重負荷を関節の正常なほうへ移動させることで、痛みや症状の進行を食い止めます。例えばO脚の場合は膝の内側の軟骨や骨が摩耗・変形してしまいますが、骨の角度を矯正して体重負荷を膝の外側に移すことで症状の改善を図ります。
自分の膝関節や靭帯を残せるので術後にスポーツや体を使ったお仕事へも復帰しやすく、正座もできるようになることが特徴です。
引用元:日本赤十字社
人工関節置換術
人工関節置換術(じんこかんせつちかんじゅつ)は、主に変形性膝関節症が進行し、膝の強い変形、軟骨もほとんど失われた状態を対象に、損傷した骨と軟骨を人工の関節に置き換える手術です。概ね一か月間の入院とリハビリが必要です。
※引用元:一般社団法人 日本人工関節学会
人工関節を長持ちさせるためには、術後に人工関節の緩みや損傷で再手術とならないよう、日常生活において注意が必要です。例えば、正座などで膝の曲げ伸ばしが大変な和式の生活は避けたり、膝に強い負担のかかる激しいスポーツへの参加は推奨されません。
身体に人工物をいれることは大きな決断が必要となりますが、歪んでいた脚が真っ直ぐになることで気分が前向きになれたり、億劫だった買い物や旅行が楽しめるなど、生活の質(QOL)の改善が期待できます。人工膝関節置換術の種類、適応の目安については下記の記事で、これまで多数の人工膝関節置換術に取り組んできた医師2名の取材記事を掲載しています。
人工膝関節置換術の種類や適応目安について|膝痛にお悩みの方へ
また、人工膝関節置換術の術後の生活の様子、気をつけなくてはならなくなることなどについては下記の記事で医師取材を元に解説しています。
人工膝関節置換術の術後の生活や注意点について医師が解説します
再生医療やその関連技術(手術をしない、自己組織を活用)
保存療法と手術療法以外に患者さんご自身の血液や脂肪といった自己組織を活用する治療が登場しており、再生医療に相当するものや、それを応用した技術があります。
期待される効果は、抗炎症作用が認められつつあり、また、すべての治療の基礎となる運動療法とも相性が良いとされています。ここからは再生医療、および再生医療に関連した技術についてご紹介いたします。
なお、これらの治療については下記ページにて特集しておりますので、興味のある方は併せてご覧ください。
PRP療法やPFC-FD™療法(血液を活用)
自身の血液から作った成分を関節に注入する治療では、「PRP療法」が代表的です。基本的に入院不要で日帰りにて行うことができ、保存療法と手術療法のすき間を埋める治療として注目され、活用が始まっています。これはご自身の血液から血小板を濃縮して膝へ戻すことで鎮痛・抗炎症作用を期待する再生医療です。また、この再生医療「PRP療法」を応用した技術として「PFC-FD™療法」があります。この「PFC-FD™療法」では血小板に含まれる成長因子そのものを抽出して患部へ注射します。変形性膝関節症の患者に対しこの「PFC-FD™療法」を行った研究(*3)
では、6割強の患者さんで3〜12ヶ月間、疼痛の軽減が確認できたとされています。
ただし、自身の血液を活用することから効果には個人差が大きく、また自由診療であることから治療費は保険が適用できず自己負担となります。現在の治療に納得できず新しい治療方法を探している、という方は一度近くの治療提供医院でご相談されてみると良いでしょう。また、「PFC-FD™療法」を提供している全国の医療機関は下記ボタンから探すことが可能です。
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ASC治療(脂肪組織の幹細胞を活用)
脂肪由来幹細胞治療(ASC治療)は、患者自身の腹部から少量の脂肪組織を採取し、幹細胞を培養・増殖したのち患部に注射する再生医療です。入院不要・日帰りで行うことができます。
幹細胞とは、自身のコピーをつくる能力「複製能」と、様々な細胞へ変化する能力「分化能」を持つ細胞のことです。脂肪組織から得られる幹細胞には、抗炎症作用、そして骨や軟骨、血管へ分化する力があり、変形性膝関節症の痛みの抑制や傷んだ軟骨が修復する可能性が期待できます。
ただし、こちらも自身の細胞を用いる治療であることから効果には個人差があります。また、自由診療であるため治療費は自己負担になります。
膝に対する再生医療とその関連技術については、下記ページでも紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
もし、現在受けている治療の効果に満足できず、それでも手術は避けたい場合には、再生医療やその関連技術も視野に入れてみると良いでしょう。また、実際に受けたい場合には、下記のボタンから全国でこれらの治療を提供していることが当社で確認できる約450施設(*4)の医療機関を探すことが可能です。(*4…2022年9月時点の掲載数)
ご自身、もしくはご家族の方が変形性膝関節症でお悩みの場合には、ご検討も兼ねて一度上記ボタンからお近くの病院へお電話にてご相談されてみてはいかがでしょうか。
変形性膝関節症を悪化させないための予防法
最後に、変形性膝関節症を悪化させないための予防法をお伝えします。
膝は、毎日意識せずに多用してしまう部位になります。その結果、無意識に膝に負担の多い生活習慣をしていて気づいたら炎症が進んでいた、ということも起こりえます。
日々の行動の中でも少しの心がけで膝への負担は大きく変わるため、膝への負担に意識を向けることが大切です。以下はほんの一部の例ですが、
・正座を避け、イスを利用する
・トイレは洋式トイレを使用する
・肥満の人は減量を心がける
・冷房などで膝を冷やしすぎないようにし、血行を良くする
・膝まわりの筋肉を鍛える
まず膝に負荷をかけるような状況を避けること、また先述しておりますが、筋トレやストレッチをすることも変形性膝関節症にとって有効です。
変形性膝関節症の予防について気になる方は、医師監修の解説記事が下記にございますのでご覧ください。
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※脚注
*1…Yoshimura N, et al. (2009). Prevalence of knee osteoarthritis, lumbar spondylosis, and osteoporosis in Japanese men and women: the research on osteoarthritis/osteoporosis against disability study. Journal of Bone and Mineral Metabolism. 27, 620-628.
*2…田中真一ほか(2012).「変形性膝関節症に対する温熱療法と運動療法の併用効果に関する研究」『ヘルスプロモーション理学療法研究』1(2), pp131-135.
*3…大鶴 任彦ほか(2020).「変形性膝関節症に対するBiologic healing専門クリニックの実際とエビデンス構築」『関節外科』39(9), pp.945-954.
*4…川村 秀哉, 杉岡 洋一, 廣田 良夫, 井上 一, 黒坂 昌弘, 緒方 公介, 新名 正由, 藤井 克之「変形性膝関節症の疫学 患者数推定と患者調査結果の検討」整形外科と災害外科 1995 年 44 巻 1 号 p. 12-15
*5…原口 和史, 吉野 興一郎, 濱崎 将弘, 永吉 信介, 家入 雄太, 日野 敏明, 松浦 恒明「変形性膝関節症とサルコペニア肥満」整形外科と災害外科 2018 年 67 巻 2 号 p. 350-353
*7…崎川 和彦, 小野田 哲也, 加治 智和, 上間 智博, 廣川 琢也, 牧田 光広, 新田 博文, 松元 秀次(2011)「変形性膝関節症に対するインソールの効果」第33回九州理学療法士・作業療法士合同学会
*8…Takuma MATSUSHITA, Yasuhiro SHINDO(2015)「20712 Heating properties and stress distributions for effective thermal therapy for osteoarthritis during expansion of knee gap」
*9…立花陽明 「変形性膝関節症の診断と治療 」理学療法科学 20(3):235-240, 2005
*10…木藤伸宏, 小澤淳也, 金村尚彦 「変形性膝関節症 理学療法診療ガイドライン」第43巻第2号 204〜209頁(2016)
*11…日本運動器理学療法学会「第12章 膝関節機能障害 理学療法ガイドライン」2021
*12…鳥取部光司, 帖佐悦男, 宮﨑茂明「変形性関節症のリハビリテーション」2016 年 53 巻 12 号 p. 922-927
*13…Marshall Godwin 1, Martin Dawes – Intra-articular steroid injections for painful knees. Systematic review with meta-analysis 2004 Feb;50:241-8.
*14…日本整形外科学会「変形性膝関節症診療ガイドライン 2023」
https://www.joa.or.jp/topics/2023/files/guideline.pdf
※参考文献
…中山 享之ほか(2013).「脂肪組織由来間葉系幹細胞を利用した細胞療法―現状と展望―」『日本輸血細胞治療学会誌』59(3), 450-456.
…秋山 謙太郎ほか(2016).「間葉系幹細胞の新しい機能─免疫調節細胞としての間葉系幹細胞─」『日本補綴歯科学会誌』8(4).
…黒澤 尚(2004).「変形性膝関節症の治療としてのリハビリテーション: 運動療法ホームエクササイズの効果」『リハビリテーション医学』41(Supplement), S137-S137.
…清水 新悟ほか (2006).「変形性膝関節症の足底板療法の評価」『日本義肢装具学会誌』22(1), pp38-42.
…内尾 祐司(編)(2019).『ここが大事!下肢変形性関節症の外来診療』 南江堂.
…大鶴 任彦ほか(2020).「変形性膝関節症に対するBiologic healing専門クリニックの実際とエビデンス構築」『関節外科』39(9), pp.945-954.