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変形性膝関節症

2022.6.6/最終更新日:2022.9.30

【膝痛でお悩みの方へ】ヒアルロン酸注射の効果や費用相場について医師が解説

取材先の医師とクリニック

ヒアルロン酸注射の膝痛への効果について

変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)などに代表される膝痛への初期治療としてよく行われるヒアルロン酸注射ですが、どのような効果があるのでしょうか。

本記事では、ヒアルロン酸注射の効果やメリット・デメリット、費用相場などについて解説していきます。

ヒアルロン酸注射とは

ヒアルロン酸注射は、もともと体内に存在する成分と同じであるヒアルロン酸を関節内に注射することにより、関節痛の緩和や関節の滑らかな動きを取り戻すことを目指す治療です。主に変形性膝関節症による膝痛に対し用いられます。

ヒアルロン酸とは、人体の関節内に存在する成分で、関節が滑らかに動くための潤滑油と、衝撃を和らげるクッション材としての役割を果たしています。そのため、関節内のヒアルロン酸が減少することは関節にとっての潤滑油やクッション材が減ることを意味し、膝の痛みなどの関節痛に繋がります。

膝の痛みにお悩みの方の9割は変形性膝関節症であるといわれています。(*1)変形性膝関節症に対してヒアルロン酸注射で関節内のヒアルロン酸を補うことで膝痛の緩和が期待できます。

膝に注射を打っている様子

ヒアルロン酸注射の効果が期待できる疾患について

ヒアルロン酸注射は関節痛に対して有効であるとされています。

特に膝に痛みの出る疾患の代表である「変形性膝関節症」、膝以外にも「肩関節周囲炎(五十肩)」「関節リウマチによる関節痛」に用いられることが多く、これらの疾患に対しては保険診療でヒアルロン酸注射を行うことができます。

膝・肩・手の痛みに悩む女性

実施頻度

ヒアルロン酸注射は基本的に、まず週1回の間隔で連続5回行います。
その後は、症状の改善具合をみながら、医師の判断で注射を継続するかどうか決定します。
ただし、注射を5回打つまでに膝の痛みが改善することもありますので、その場合は5回まで打たなくていい場合もあります。

その後もヒアルロン酸注射を継続する場合は、痛みに応じて2〜4週間に1回程度の頻度で行うことが一般的です。

ヒアルロン酸注射のメリット

身体への負担が軽く済む

膝痛に対するヒアルロン酸注射による治療は、これまでに約36年の治療実績があり、注射の際は細めの針が使用され、痛みも少ない低侵襲治療(身体への負担が少ない治療)です。

また、保険診療で受診できるため費用負担も比較的少なく済ませることが可能です。

 

ヒアルロン酸注射の費用相場については、後述の「ヒアルロン酸注射の費用相場」をご覧ください。

変形性膝関節症による痛みや炎症の緩和を期待できる

先述にもあるように、ヒアルロン酸には衝撃を和らげるクッション材の役割があり、患部に注入することで痛みの緩和や関節内の炎症を抑制する効果が期待できます。

特に変形性膝関節症の初期段階の方にはヒアルロン酸注射が効きやすいとされています。

また、変形性膝関節症の治療のためには、ヒアルロン酸注射と並行して運動療法を行うことが大切です。

ウォーキングをする女性

ヒアルロン酸注射のデメリット

効果は一時的な場合も

変形性膝関節症の初期段階であれば、ヒアルロン酸注射により症状がなくなる場合もありますが、ヒアルロン酸注射の効果は一時的な場合や、症状の進行具合によっては効果が出にくい場合があります

また、ヒアルロン酸注射により一時的に痛みが緩和したことで膝を酷使してしまい、これを長期間繰り返すことで症状が進行してしまうケースもあります。(*2) 先述にもあるように、症状の進行具合によってはヒアルロン酸注射の効果が出にくいこともありますので、そのような場合は他の治療法を検討する必要があります。

どうしても症状が改善せず、日常生活に大きな支障が出ている方は、手術の検討が必要な場合もあります。

ヒアルロン酸注射を続けても症状が一向に改善されないという方は、今後の治療方針について担当医師とご相談ください。

患者に説明する医師

注射時の痛み

ヒアルロン酸注射を行う際に、痛みが伴うことがあります

ただし、ほとんど苦痛にはならないような痛み(チクッとするような痛み)です。

注意点

ヒアルロン酸注射は、日常生活が制限されるようなこともほとんどなく、手術などに比べ身体への負担が軽く済む治療法です。

しかし、ヒアルロン酸注射による生理的反応や、感染症のリスクを助長させないためには、ヒアルロン酸注射後、以下のことに気を付けましょう。

  • 注射当日は入浴せず、シャワーを浴びるだけにする
  • 注射後の激しい運動は控える

ヒアルロン酸注射とステロイド注射の違い

膝痛に対して行われる注射による治療としては、ヒアルロン酸注射の他に、ステロイド注射も挙げられます。ステロイド注射は、ヒアルロン酸注射とどのような違いがあるのでしょうか。

上記にもあるように、クッション材であるヒアルロン酸は関節内に注射することで関節の滑りが良くなる効果などがあるのに対し、ステロイド注射には強力な抗炎症作用があり鎮痛作用についてはヒアルロン酸注射よりも即効性があるとの研究報告がされています。(*3

よって、ステロイド注射はヒアルロン酸注射やその他の治療で膝痛が改善しない場合に検討されます。また、水腫(膝に水が溜まっている状態)の有無や、膝の痛みの程度に応じて、最初にステロイド注射を行い、炎症や痛みを抑えてからヒアルロン酸注射による治療を行う場合もあります。

しかし、ヒアルロン酸注射には重篤な副作用がないとされているのに対し、ステロイド注射には強い副作用のリスクがあり、頻繁に投与することで逆に関節破壊を誘発したり、糖尿病のリスク増加などに繋がる可能性があります。

 

費用相場

ヒアルロン酸注射の費用相場は、75歳以上で1割負担の保険診療で行う場合、両ひざへの注射1回当たりで1000円程度になります。

ヒアルロン酸注射を実施する場合、まずは1週間ごとに5回注射することが一般的ですので、1ヶ月分の治療費として、注射代だけで合計5000円程度が目安になります。

ヒアルロン酸注射の金額

ヒアルロン酸注射や手術以外の治療の選択肢「バイオセラピー」

ヒアルロン酸注射などの保存療法を行っても痛みが緩和せず、日常生活に大きな支障をきたしている場合、手術も検討した方がいいケースもあります。しかし、いきなり手術と言われても心理的ハードルが高く、「できれば手術はしたくない」と感じる方も多くいらっしゃるでしょう。

そのような方たちの新たな選択肢として「PFC-FD™療法」や「ASC治療」といったバイオセラピー(人の血液や細胞を利用した治療法)が、活用され始めています。

上記のいずれの治療法も、ヒアルロン酸注射のように何度も通院したり、原則、手術や入院は必要ありません。

特に軽度~中等度の変形性膝関節症の方は、PFC-FD™療法やASC治療を行うことで、痛みの緩和や関節可動域の拡大などで高い効果を得られやすいことも報告されています。(*4)そのため、何年も変形性膝関節症に苦しんでいるけれど手術は受けたくない、という方や、頻繁なヒアルロン酸注射での治療が必要な方は検討してみてもよいでしょう。

ただし、施術後は併せて運動療法も取り入れることが推奨されており、その指導のための通院は別途必要になります。

 

これらの治療法について詳細を知りたい方は、下記ボタンから詳細な説明をご覧になれます。

これらの治療を検討したいという方は、下記ボタンからバイオセラピーを活用している医療機関を探すことが可能です。変形性膝関節症の治療では、まずは医師に相談して進行度に応じた治療を行うことが重要です。どのような治療を選択すればいいかわからない、どのような治療法があるのか知りたいという方も、ぜひ医療機関にてご相談ください。

まとめ

変形性膝関節症による膝の痛みに対する適切な治療方法は、症状の進行度や治療を受ける方の環境、生活習慣などによって変わってきます。

本記事の中でもご紹介したように、ヒアルロン酸注射でなかなか症状が改善されない場合は、手術やバイオセラピーなど、他の治療法を検討したり、痛みの程度によっては最初にステロイド注射による治療を検討することもあります。

長年膝痛でお悩みの方や、手術を受けるべきかどうか迷っている方、どのような治療の選択肢があるのか知りたい方は、一度医療機関を受診し、お気軽にご相談いただければと思います。

 

※注釈

*1…小西 信幸(編)(2021).『ひざ痛 変形性膝関節症―自力でよくなる!―ひざの名医が教える最新1分体操大全』.文響社.

*2…小俣 孝一(編)(2020).『ひざ痛 変形性膝関節症 ひざの名医15人が教える最高の治し方大全 聞きたくても聞けなかった137問に専門医が本音で回答!』.文響社.

*3…Bannuru RR, et al. Therapeutic trajectory of hyaluronic acid versus corticosteroids in the treatment of knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis. Arthritis Rheum;61(12):1704-11. 2009.

*4…大鶴任彦ほか(2020).「変形性膝関節症に対するBiologic healing専門クリニックの実際とエビデンス構築」『関節外科』39(9), pp.945-954.

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