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変形性膝関節症 半月板 靭帯

2021.9.22/最終更新日:2022.5.13

「膝が痛い。」膝を曲げると痛む5つの代表的な疾患を医師が紹介します。

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曲げると膝が痛い場合に考えられる疾患

膝を曲げるときに痛む代表的な疾患を、主な症状や原因、治療法と共にご紹介します。膝を曲げると痛い場合には、ぜひご自分の痛みや症状、原因に思い当たることがないか、確認してみてください。

 

変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症とは、膝関節に年月をかけて繰り返し負荷がかかることにより、軟骨が徐々にすり減って痛みをもたらし、最終的には骨や膝関節の変形を引き起こす疾患です。

歩く際や、階段の登り降り、しゃがむ時や椅子からの立ち上がりなど、膝を曲げる動作で痛みが出ることがあります。

変形性膝関節症の症状

初期の場合、歩きはじめなどで一時的に膝が痛む程度ですが、次第に膝を曲げると痛むようになり、進行すると正座や階段の登り降りができないほど痛むようになり、最終的には横になって安静にしていても痛むようになります。

 

膝を曲げる動作で痛みを覚えるため、次第に歩くこと自体が億劫になり、徐々に外出や運動を避ける、といった事態につながります。すると膝関節を支える筋肉も衰えてしまい、より一層軟骨や骨にかかる負荷が増大することになり、ますます疾患(病態)を進行させます。このような悪循環も変形性膝関節症の特徴です。

変形性膝関節症の病態(症状)を医師が解説します。

変形性膝関節症の原因

変形性膝関節症は加齢による発症が最も多いとされています。年齢を重ねるにつれて関節が傷んでくることによって引き起こされます。

また、変形性膝関節症はO脚やX脚の方が罹患しやすい疾患です。O脚やX脚の方は、本来膝全体で支えるべき負荷が、膝の内側もしくは外側に集中するので摩耗や損傷を引き起こしやすく、変形性膝関節症の発生や進行の要因となります。

さらに変形性膝関節症は女性に多い疾患でもあります。女性は男性よりも比較的に筋力が少ないため男性よりも痛みを感じやすく、加えて閉経によるホルモンバランス変動などの女性特有の事象と重なり、より一層痛みを強く自覚しやすい傾向にあります。

変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)の原因とは

変形性膝関節症の治療

変形性膝関節症の治療は変形性膝関節症の痛みなどの症状に応じて選択されます。主にこれ以上膝の痛みや症状が悪化することを防ぐ目的で行われる保存療法と、根本的な痛みの原因を取り除く手術に分けられます。

保存療法

変形性膝関節症の症状が初期段階の場合、痛みがそこまで強くないなど生活に大きな支障が無ければ保存療法が選択されることが多いです。主に変形性膝関節症の症状改善と悪化防止を目的として実施されます。

代表的な保存療法には、消炎鎮痛剤等を使用して痛みと炎症を抑えたりする薬物療法や、脚の筋肉を鍛えて膝にかかる負荷を減らしたり膝の曲げ伸ばし角度を広げることを目指す運動療法が含まれます。また、関節のクッションの役割を果たすヒアルロン酸をひざに注射することも代表的な保存療法のひとつです。

手術

変形性膝関節症に対する代表的な手術には人工関節置換術があります。

人工関節置換術は、傷んでしまった膝の骨や軟骨を、金属とポリエチレンの人工関節と入れ替えることで変形性膝関節症の痛みの低減と関節機能を取り戻すことを目的に行われる手術です。

膝の痛みで歩くことすら難しかったり、安静にしていても膝が痛むといった日常生活に著しい支障がある場合や、ゴルフなどの趣味に痛みなく打ち込みたい場合などに検討されます。

ただし、人工関節置換術は入院が必要です。加えて術後は膝の曲げ伸ばし角度に一定の制限があり、人工関節の破損防止観点から激しいスポーツへの参加も難しくなっています。また、手術をしても痛みが完全にはなくならない可能性もあります。

自己組織を活用した治療法(バイオセラピー)

変形性膝関節症に対しては、患者自身の体組織を用いた治療法(バイオセラピー)が活用され始めています。上述の保存療法と人工関節置換術のすき間を埋める治療として期待されています。

バイオセラピーにはヒアルロン酸注射等と比較して長い消炎鎮痛効果があるとされ、その期間に運動療法を行って膝まわりの筋肉を鍛えることで、膝関節にかかる負荷を筋肉で支えて軽減し、変形性膝関節症の進行予防や症状改善を目指すことが出来ます。

 

体組織(自身の血液や脂肪)を活用する治療であることから効果には個人差があり、保険適用外のため治療費は自己負担になるといった懸念点もありますが、手術や入院が必要なく、また、本来の軟骨や骨が温存できるのでスポーツとの相性が良いというメリットもあります。

以上の特徴から、「現在の治療に満足できないけれど手術は受けたくない」という場合などにバイオセラピーを選択する方が増え始めています。バイオセラピーについての詳しい説明はコチラの記事でも解説されています。


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半月板損傷

半月板損傷とは

半月板とは膝関節の大腿骨(ふとももの骨)と脛骨(すねの骨)の間に存在するローマ字の「C」の形をした軟骨組織です。ひとつの膝の内側と外側に合計2つ存在し、膝関節を安定化させると共に膝の滑らかな動きを助ける役割があります。

この半月板が損傷することを半月板損傷といいます。半月板が損傷すると膝にかかる衝撃をうまく吸収できなくなり、膝を曲げるときの痛みや不安定感に繋がります。

半月板損傷の症状

半月板損傷の症状の特徴は、膝を曲げたり伸ばしたりした際に、痛みとともに「引っかかるような感じ」を伴うことが特徴です。半月板は関節の動きをなめらかにする働きがありますので、損傷すると膝のなめらかな動きができなくなり、このような引っかかり感となって自覚されることがあります。また受傷した直後は動けなくなるほど膝に痛みを感じます。

損傷が重度の場合には半月板が断裂してちぎれた半月板が関節に挟まってしまい、膝を一定の角度以上に曲げたり伸ばしたりできなくなる「ロッキング」という状態に陥ることもあります。

 

仮に半月板損傷を放置すると、膝を支える組織が壊れているため膝関節の他の組織に負荷が増大し、年月を経て膝軟骨などへの損傷が徐々に蓄積し、先述の変形性膝関節症を引き起こすこともあります。

半月板損傷の原因

半月板損傷は急な切り返しや他選手との接触など、膝に大きな負荷がかかるプレーを伴う激しいスポーツ活動中に生じやすいです。例えばバスケットボールやラグビーといったスポーツが挙げられます。膝に強い衝撃がかかると半月板にもそのぶん負荷がかかり、支えきれず半月板が割けたり断裂するなどします。

ただし、スポーツ以外にも加齢によって半月板がすり減っていたり傷つきやすくなっている場合には、軽い運動でも半月板が損傷する可能性があるので、年齢を重ねたら勢いよく踏み込んだりしないよう注意しましょう。

半月板損傷の治療

手術

半月板は他の体組織と比べて自己修復能力が低く、自然治癒しにくい組織です。そのため治療法としては損傷部位の切除、もしくは縫合が選択されることが多いです。

スポーツ選手が半月板を損傷した場合、この手術から復帰するまでに6ヶ月ほどかかりますので、重い怪我と言えるでしょう。

自己組織を活用した治療法(バイオセラピー)

医師の判断や患部の状況にもよりますが、半月板損傷にも自己組織を活用した治療を行うことがあります。損傷した部位の炎症を沈静化させるので、症状が改善しやすい関節内の環境を作ることができると考えられます。

※外部リンク:The answer『「半月板損傷=手術」じゃない “第3の治療”再生医療でスポーツ界の常識は変わるか』

ただし、効果には個人差があり、加えて、半月板損傷に対するバイオセラピーの実施数も少なくデータが乏しいため、原理や効果については未解明の部分が少なくありません。


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関節リウマチ

関節リウマチとは

関節リウマチとは、本来外部のウイルス等を退治する免疫機能が複合する様々な要素で自分の体を攻撃してしまい、軟骨や骨が破壊されてしまう免疫疾患です。膝の痛みや腫れとして自覚されることがよくあります。

関節リウマチの症状

関節リウマチの特徴的な症状は、膝関節を曲げるときの痛みに加え、朝起きたときや日常動作における膝のこわばりや、膝関節自体が腫れることなどです。

また、関節リウマチは免疫の病気ですので、膝などの特定の関節だけでなく複数の関節で同時に生じたり、左右対称に症状が発生することも特徴です。たとえば膝を曲げる時に両膝に痛みを感じたり、手指の節々がゴワゴワする・腫れているというような、膝以外の関節でも症状が出ている場合には関節リウマチが疑われます。

関節リウマチの原因

関節リウマチの原因は明確にはなっていません。ですが一卵性双生児のほうが二卵性双生児よりも共に発生する傾向が強かったり、罹患率の高い家系があるなど、遺伝的要因が古くから示唆されています。

その他に喫煙習慣、歯周病との関連が強く指摘されています。

関節リウマチの治療

まず、上述の通り、関節リウマチに関しては明確な原因が特定されていないため、関節リウマチを根本的に治す方法は見つかっていません。そのため対症療法的な治療を継続的に行い、進行を食い止め炎症を抑えることで、問題なく生活ができる”寛解”という状態を目指す治療が一般的で、抗炎症薬や抗リウマチ薬などの投薬により炎症を防いで日常生活を送れるような状態を目指します。

加えて、近年の関節リウマチに対する治療では生物学的製剤(バイオ製剤)も注目されています。バイオ製剤はバイオテクノロジーにより生物のタンパク質を応用して作られる薬品で、リウマチの関節破壊防止効果が優れているとされ、1割程度ほどの確率ではありますがバイオ製剤により完治する症例も認められているようです。ただし、破壊を抑えるということは免疫能力を抑制することでもあるため、肺炎や結核などの重症感染症への罹患には注意が必要です。

進行が激しく滑膜(かつまく:関節を水分で覆い保護する組織)や軟骨の破壊が著しい場合、人工関節置換術を行い損傷している関節部分を人工物に入れ替え進行を防ぐ、という方法もあります。

 

膝靭帯損傷

膝靭帯損傷とは

靭帯とは骨と骨を結ぶ、主にコラーゲンで構成された繊維組織であり、関節の可動域を制限することで関節の強度を保つ役割を担っています。

膝関節には大腿骨と脛骨を結ぶ靭帯が4本通っており、そのうちのいずれか、もしくは複数が損傷・断裂することを膝靭帯損傷と言います。

膝靭帯損傷の症状

膝の靭帯損傷では、受傷した直後に激しい痛みが生じます。加えて、靭帯は関節を安定させる組織であるため、膝靭帯が損傷・断裂すると膝関節の不安定感を覚えたり、うまく膝を動かせない・膝に力が入らない、という症状が挙げられます。この他には、膝関節に血が溜まって腫れることもあります。

膝靭帯の損傷は放置していても痛みが引いたり、膝関節が安定化する場合があります。ですが、放置して膝関節の痛みが引いても損傷から回復したわけではなく、膝の安定化装置は壊れたままの状態です。よって軟骨などの別の組織に負荷が偏って摩耗・損傷したり、長年放置することで変形性膝関節症にかかりやすくなるなど、別の問題につながることもあります。靭帯損傷の可能性があれば早めに診察を受けましょう。

膝靭帯損傷の原因

膝に大きな負荷がかかることで発生します。例えば、ラグビーやアメリカンフットボールなど、他の選手とぶつかり膝に大きな負荷がかかるコンタクトスポーツで生じることがあります。また、交通事故などで膝を激しくぶつけることで起きることもあります。

その他に加齢などによって靭帯の強度が弱っている場合には、ちょっとした負荷によって靭帯が損傷するケースもあります。

膝靭帯損傷の治療

多くの場合、ギプスやサポーターを使用するなどしてこれ以上の悪化を防ぎ、リハビリによって自己治癒を目指します。

ただし、損傷の箇所や程度によっては手術が必要なこともあり、膝に小さな穴を開けて関節鏡という関節用の内視鏡を用い、断裂した靭帯の縫合や再建を行うこともあります。

また、最近では再生医療やバイオセラピーを靭帯損傷の治療に活用する場合もあります。損傷部位に成長因子などを注入することで損傷した靭帯の自己治癒能力の促進を期待することもあります。

 


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ジャンパー膝(膝蓋腱炎)

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)とは

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)とは、名前の通り、ジャンプ動作を繰り返すことで生じるスポーツ外傷です。一般に”膝の皿”と呼ばれる「膝蓋骨(しつがいこつ)」に付着して膝を曲げる役割を担う繊維性の結合組織である”腱”が損傷し痛んでしまう傷害です。

スポーツ動作によって膝の皿(膝蓋骨)に付着している腱という組織に、細かな損傷が蓄積されていきます。これは本来、適切な休息をとることで人体が本来持つ回復力で修復されます。しかし、スポーツ選手を筆頭に激しいスポーツを長期間、休む暇もなく続けているような方はこの細かな損傷が治らずに激しい炎症に発展、痛みを主な症状とするジャンパー膝(膝蓋腱炎)へと発展します。

 

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)の症状

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)の主な症状は上述したとおり、痛みが症状の中心で、膝の皿(膝蓋骨)のすぐ上もしくはすぐ下を押すと痛みを覚えたり、重症の場合には安静にしていても痛む、という状態になります。痛みの他、腫れたり患部(膝)が熱を持ったりします。

特にうつ伏せになって膝を深く曲げようとすると、太ももの前のほうに強い痛みを感じ、その痛みから逃れるためにお尻が上がる、という尻上がり現象が見られるのが特徴です。

 

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)の原因

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)の主な原因は、膝の過度な使いすぎによるものです。

特に、この膝蓋腱の役割が膝を伸ばすことであり、その力が最も要求されるのが、名前の由来ともなっている「ジャンプ動作」となるので、ジャンプ動作を繰り返すことは膝蓋腱に大きな負担となります。その他に長時間走ることも原因となります。

これらの動作を頻繁に行い、ジャンパー膝(膝蓋腱炎)が好発するスポーツはバレーボール、サッカーなどが挙げられ、元サッカー日本代表の内田篤人選手もこのジャンパー膝に悩まされました。

 

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)の治療

上述したように、ジャンパー膝(膝蓋腱炎)の原因は膝の使いすぎによるもののため、まずは安静にすることが大切です。その後、リハビリテーションを行ったり、再発を防止のために太ももや周辺の筋力トレーニングを行って他の筋力で体重負荷を支えられるようにするなどします。

その他、医療機関で受けられる治療としては超音波治療、手術、などがあります。

 

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)についての詳しい説明は下記の記事でも解説していますので、興味のある方はご覧ください。

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)とは

 

膝を曲げると痛い場合には

速やかに適切な治療を受けることが大切です。放置していると、膝の痛みや症状が悪化したり、そういった症状が仮に収まったとしても、年月を経て何かしらの疾患に発展するなどのリスクがあります。

 

下記ボタンから再生医療やバイオセラピーも導入している全国の整形外科を探すことができますので、もし思い当たる症状があれば一度整形外科の医師の診断を受け、必要ならば適切な治療を受けるようにしましょう。

変形性膝関節症とPRPを応用した技術「PFC-FD™療法」

あわせて読みたい

 

 

※参考文献
…「慢性関節リウマチ膝関節における骨・軟骨移行部の病態に関する研究」末長 敢
…「関節リウマチ患者における喫煙者の割合」臨床リウマチ22巻(2010)1号 岩田 康男 et al.
…「1.関節リウマチの遺伝的要因」日本内科学会雑誌101巻(2012)10号 山本 一彦 et al.
…「関節リウマチにおける生物学的製剤の単剤療法」臨床リウマチ32巻(2020)2号 松野 博明 et al.
…Heiberg MS, Koldingsnes W, Mikkelsen K, et al. The comparative one-year performance of anti-tumor necrosis factor alpha drugs in patients with rheumatoid arthritis, psoriatic arthritis, and ankylosing spondylitis: results from a longitudinal, observational, multicenter study. Arthritis Rheum. 59(2): 234-40. 2008

※脚注
…Robert B. Bourne, MD, FRCSC,corresponding author Bert M. Chesworth et al. Patient Satisfaction after Total Knee Arthroplasty: Who is Satisfied and Who is Not? Clin Orthop Relat Res v.468(1); 2010 Jan

変形性膝関節症の症状とは?
変形性膝関節症の症状について医師が解説

 

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